〜NASAが否定し続ける“もう一つの人工衛星”の正体〜
序章:地球の周回軌道に潜む“何か”
夜空を見上げると、そこには人類が打ち上げた数千の人工衛星が軌道を周回している。
だが、その中に「人類以前から存在する衛星」があるとしたら――?
それが、ブラックナイト衛星(Black Knight Satellite) と呼ばれる未確認物体である。
その存在は60年以上にわたり、NASAや軍事関係者、そして独立研究者たちの間で議論の的となってきた。
第1章:発端 ― テスラが受信した“異常信号”
1899年、発明王 ニコラ・テスラ はコロラド・スプリングスの実験所で無線送信の研究を行っていた。
その際、彼は「規則的な宇宙からの信号」を受信したと日誌に記している。
「私は、地球外知性から送られた通信であると確信している。」
当時はまだ人工衛星どころか無線通信自体が黎明期。
後に彼が受信した信号がブラックナイト衛星からのものではないかと考える研究者もいる。
第2章:1950年代 ― 冷戦とともに現れた“黒い影”
本格的にブラックナイトが話題となるのは、1954年。
アメリカ空軍が「地球周回軌道上で未確認物体を観測した」と報告したことに始まる。
当時、人工衛星を打ち上げていた国は存在せず(スプートニク1号は1957年)。
この“正体不明の衛星”は、人類以前から存在する人工物体ではないかと報じられた。
新聞「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」(1954年5月14日号)はこう伝えている。
「米空軍、地球を周回する“謎の物体”を発見。起源は不明。」
第3章:スプートニク計画と“異常な軌道”
1957年、ソ連が人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた直後、
アメリカの観測者がもう一つの衛星が地球を周回しているのを確認した。
この物体は逆行軌道(地球の自転と逆方向)をとっており、
通常の人工衛星では不可能な軌道を描いていたという。
アメリカ国防総省はこの報告を極秘扱いにしたが、
後にノースアメリカン航空のエンジニアが「地球を監視する未知の衛星」として言及。
それが“ブラックナイト”という呼称の始まりだった。
第4章:1960年、NASA公式写真に映った“黒い物体”
決定的な注目を集めたのは1960年2月。
アメリカ海軍のレーダーが、極軌道を周回する巨大な黒い物体を捕捉した。
この衛星は北極から南極を通過する軌道にあり、地球を約104分で一周していた。
米政府は当初「ディスカバラー計画の残骸」と発表したが、
重量・軌道・反射率が一致せず、説明にはならなかった。
一方で、当時の天文学者らはこれを「人工物体である可能性が高い」と見ていた。
第5章:STS-88号が捉えた“謎の衛星”
時代は流れ、1998年。
スペースシャトル エンデバー(STS-88) が国際宇宙ステーション(ISS)の初期建設を行っていた際、
NASAの公式写真に奇妙な黒い物体が写り込んだ。
その形状は有機的で、金属的光沢を持ち、まるで“外骨格”のよう。
NASAはこれを「落下した熱遮断毛布(Thermal Blanket)」と説明したが、
物体の軌道・サイズ・形状は一致しなかった。
この画像がネット上で拡散し、ブラックナイト衛星伝説は再び炎上した。
第6章:1万3000年前からのメッセージ
研究者たちは、ブラックナイトが単なるデブリではなく、古代から地球を観測する異星文明の探査機だと考えている。
その根拠の一つが、1960年代にノルウェーで観測された「ロング・ディレイ・エコー(LDE)」現象だ。
これは、電波が地球から送信されて数秒後に反射して戻ってくる現象で、
当時の通信理論では説明できなかった。
オスロ大学の天文学者 ヨルゲン・ハルス博士 は、
「反射源は地球軌道上に存在し、1万年以上の周期で通信を行っている可能性がある」
と報告。
この信号解析から、“送信源は1万3000年前の星座エプシロン・ブーツ星系を指している”という結果が導かれた。
第7章:異星の観測衛星説
この「1万3000年前の送信源」は偶然なのか?
天文学者ドン・ラガスらは、ブラックナイトが**古代の観測衛星(プローブ)**だとする仮説を提唱した。
彼らによれば、これは“自己修復機能”を備えたナノマシン型探査機であり、
惑星文明が一定の電磁活動(=文明化の兆候)を示すと接触を開始するよう設計されているという。
このモデルは、1973年の物理学者ジョン・A・ボールの論文「Zoo Hypothesis(宇宙動物園仮説)」にも通じる。
つまり、地球文明は“観察対象”として隔離されている可能性だ。
第8章:ブラックナイトの構造分析
NASAが公開した画像を分析した研究者の中には、
物体の形状が「非対称的だが空力的安定性を持つ」ことを指摘する者もいる。
また、スペクトル解析では黒鉛系物質と金属酸化層が混在しており、
人工構造物として矛盾のない組成を示している。
一部のエンジニアは、この構造が「ソーラーセイル」や「無線中継器」の役割を果たしている可能性を指摘。
もしそれが真実なら、ブラックナイトは“動く観測装置”として現在も機能していることになる。
第9章:現代の観測と新たな手掛かり
2020年代、アマチュア天文家の間で再びブラックナイト衛星の話題が浮上した。
軌道追跡データベース「Heavens Above」に登録されていない不明物体が複数観測され、
一部が極軌道で周回していることが確認された。
NASAは依然として「スペースデブリ」と説明しているが、
そのうちのいくつかは反射パターンが周期的で、人工信号を発している可能性があるという。
終章:空を見上げる者へのメッセージ
ブラックナイト衛星の正体は、いまだ確定していない。
だが、それがデブリであろうと、異星の探査機であろうと――
一つの事実だけは揺るがない。
「我々は、宇宙における唯一の観測者ではない。」
もしこの“黒き騎士”が本当に古代文明の遺産なら、
それは人類の起源を知る鍵であり、同時に未来の観測対象でもある。
次に夜空を見上げたとき、あなたの頭上を通り過ぎる影――
それが“1万3000年前からの来訪者”かもしれない。

